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新型コロナ マスクの効果を忘れないで | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭「医療プレミア」

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新型コロナ マスクの効果を忘れないで | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭「医療プレミア」

総合診療医の視点 -命を救う5分の知識- フォロー 新型コロナ マスクの効果を忘れないで 谷口恭・谷口医院院長 2023年4月3日 保存保存 文字 印刷 マスクをする人としない人が入り交じる渋谷のスクランブル交差点=東京都渋谷区で2023年3月13日,宮武祐希撮影  厚生労働省は,2月にマスク着用に関する見解を出し「3月13日から,マスク着用は個人の判断が基本」だと明示しました,この見解が,多くの領域で物議をかもしています,「個人の判断」が厚労省の見解なのに,マスクを着用している人を非難する声が小さくありません,なかにはそれが「いじめ」につながるとの指摘もあります,そういう風潮を受けてなのか,医療現場では「反マスク」の風潮に恐怖感を抱いている患者さんからの声を聞きます,さらに,新型コロナウイルス感染症にかかったら重症化するリスクがある人を守る立場にあるはずの医療者までもが「マスクに効果がない」とする研究を錦の御旗(みはた)のごとく掲げ,SNSなどでマスク着用者をさげすむような発言をしているようです,いったい我々はこれからマスク着用をどのように考えればいいのか,今回も私見をふんだんに交えて解説していきます, 厚労省の見解を素直に解釈すれば,「マスクを着用するもしないも個人の判断,だから,他人のマスクにとやかく言うべきではない」となります,にもかかわらず,まるで「マスク着用が間違っている」と言わんばかりの空気が生まれています, 「マスク・拒否」と聞くと,この3年間で繰り返し報道された「マスク非着用者の入店拒否」などを思い出します,マスクを着用するよう店員に注意され,いわゆる「逆ギレ」し,その店員をビデオ撮影してSNSで公開したことが報道されたこともありました,マスクを着用せずに飛行機に搭乗しようとした男性が,強制的に降ろされて裁判になった事件もありました,「マスク警察」はたしかに行き過ぎた強要でしたが,これまでは「マスク着用」は,法的義務まではないにせよ,社会から求められていた規範であったのは事実です,マスク着用は「個人の判断」のはずが  一方,3月13日以降の厚労省の見解は「個人の判断」であり「マスクを外せ」と言っているわけではありません,なのに,マスクを外すことを強いる圧力を作り出すのは明らかに間違っています,一種の“暴力”と呼んでもいいかもしれません,すでに,学校の現場では「いじめ」が懸念されているようです,ホワイトデーを前ににぎわう百貨店「小倉井筒屋」地下の和洋菓子売り場,来店客のほとんどがマスクを着用していた=北九州市小倉北区で2023年3月13日午後1時1分,成松秋穂撮影  厚労省とは別に,文部科学省も,学校でのマスクの扱いについて通知を出しました, 文科省の通知文を読む限りは「いじめ」という文字はみつかりませんが,例えば共同通信社の記事(東京新聞が掲載)は「(マスクの)着脱を無理強いせず,マスクの有無がいじめを誘発することのないように指導を促す」と述べています,4月からの学校でのマスク着用指針  またこの件では,東京都品川区の教育委員会が,今年2月に出したチラシで「マスクの着脱をはじめ,ワクチン接種の有無などをめぐる,偏見や差別,いじめにつながらないよう スーパーコピー激安 ご家庭でもご指導いただきますよう」と保護者や地域の人たちに訴えています, さらに,マスクを着けるか外すかを巡っていじめが生じないか,と心配する保護者の声も報道されています, 厚労省の見解には「個人の主体的な選択を尊重し」という文言が赤字で書かれています,なぜ スーパーブランドコピー 学校現場では「それができず,いじめが生まれかねないのではないか」と心配される状態になっているのでしょう,いじめが起きれば,いじめた側に問題があるのは自明ですが,マスクが原因のいじめを生み出す空気ができてしまっているのなら,それは大人の責任です,「外せ」の声は医師からも  私が最も残念だと思うのは 新作ブランドコピー SNSなどで「マスクを外せ」と声を上げている医師がそれなりにいることです,私自身はそのような医師たちとはひとりも交流がないので直接聞くことはできませんが,おそらくそういう医師たちに問いただせば「新型コロナの重症化リスクがある患者(及びそういう患者に接する人)にまで『マスクを外せ』とは言っていない」と答えるでしょう,ですが,「マスクを外せ」という言葉が独り歩きするのは予想できることであり,わずか140文字(ツイッターの最大文字数)では物事を正確に伝えられず誤解を招きうるのも簡単に想像できることです,関連記事 <新型コロナ 治療薬ラゲブリオに米,豪,EUが厳しい評価> <「卒業式マスク問題」で現場は混乱…新型コロナ対策は学校に何をもたらしたのか> <コロナでマスク着用 個人の判断より周りの視線?> <新型コロナ 「5類移行」で診療する病院が急減する心配> <新型コロナ 医師に言おう「抗ウイルス薬を頂けませんか」>  医師による,誤解を与えるような発言は,さらなる問題を生み出します,反マスク運動は今や一種のイデオロギー闘争のようになっています,反マスク派にとってみれば,「マスクを外せと言っている医師がいる」というのは格好の“材料”となります,「(SNSで)有名な〇〇医師も『マスクを外せ』と言っているのだから」というふうに利用されるわけです,卒業式に臨む高校3年生,大半がマスクを着けたままだった=川崎市多摩区の神奈川県立生田高で2023年3月1日午前10時39分,三浦研吾撮影 マスク着用効果の総合分析   少し調べてみると,反マスク派の医師たちが最近さかんに引き合いに出しているのが,コクラン・ライブラリー(以下,単に「コクラン」)が2023年1月30日に掲載した「呼吸器系ウイルスの拡散を阻止または軽減するための身体的介入(Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses)」というタイトルのレビュー(いくつもの研究の総合分析)であることが分かりました, このレビューは,マスク以外の感染予防についても論じているのですが,マスクについての結論は「一般社会でのサージカルマスク(不織布のマスク)着用は,インフルエンザ感染や新型コロナ感染に関し,着用なしの場合と比べて,ほとんど,あるいは全く,違いをもたらさない」でした,ただし著者たちは「研究方法に偏りが入り込んだリスクが高い▽(マスクの)効果測定方法が研究によってさまざまである▽各研究で,マスクを正しく着用した率が低い――などのため,確かな結論を出すのが難しくなっている」と,言い訳のような文章を添えています, コクランというのは,すでに発表されている医学論文を総合的に検証し,医学的確証度(エビデンス)の高い見解をまとめているサイトです,「(ほぼ)確実な事象だけがコクランに掲載されている」と言っても過言ではありません,そのコクランに「マスクには効果がないかも」とするレビューが掲載されたのですから,反マスク派にとってはこれほど強力な“武器”はないわけです, このレビューに目をつけたのは日本人だけではありません,どうやら世界中の反マスク派がこのレビューを手に取って勢いづき,各地で「反マスク運動」を繰り広げているようです,「誤解招いた」と釈明  これにあわてたのがコクランの編集部です,3月10日,くだんのレビューは「広く誤解された(widely misinterpreted)」とする釈明文を掲載しました,このレビューは誤解を与えたとして謝罪をしています(we apologize=私たちは謝罪する=という言葉を使っています),釈明文を要約すれば「レビューの結論は『マスクが感染拡大防止に効果があるかどうかは不明である』であり,『効果がない』とは言っていない」となります 激安 ブランドコピー 釈明は先ほどの「言い訳」にも触れ「レビューの著者たちは,このレビューの限界をはっきり認識していた」と書いています, 私は「マスクに新型コロナの感染予防効果があるかどうか」という問いに対し,はっきりと「イエス」と答えます,では,なぜコクランのレビューではそれが証明できなかったのか,最大の理由は,コクランでは「マスクを着用した『時間』が考慮されていないから」です, コクランのレビューは基本的には,対象地域全体を一定期間(数週間以上)追跡した研究を分析しています,これに対し,私が「マスクは有効です」と言っているのは,「限られた状況下で」です,総合分析の問題点  過去のコラム「新型コロナ 感染は『サージカルマスク』で防げる」を思い出してください,サージカルマスクを着用していれば,その患者の呼気には「飛沫(ひまつ)」はもちろん「エアロゾル」にすら,新型コロナウイルスはまったく(!)含まれないのです,これは「マスクをしていても(自分が)新型コロナウイルスに感染することはあるが,マスクをしていれば(相手に)感染させない」ことを示しています, また,別のコラム「新型コロナ デルタ株対策にマスクの効果増強を」で解説したダブルマスク法を思い出してください,相手がマスクをしていなければ,自分がマスクをしただけでは粒子の除去率は7.5%しかありませんが,「ダブルマスク」に切り替えると83%にまで効果が高まるのです, コクランのレビューで「マスクに感染予防の効果があるとは言えない」とされているのは,一定期間(数週間以上)を調査したときの話です,調査期間中,すべての住民が24時間マスクを着用していたわけではありません,つまりマスクは,短時間であれば,適切に装着している限り他人に感染させる可能性を極めて低く抑えることができますが,外す時間があればその効果はなくなるのです, そもそもマスクにまったく感染予防効果がないとする意見はあまりにもばかげています,もしもそれが本当なら スーパーコピー通販 手術室で誰もマスクをしなくなります(コクランのレビューは「一般社会でのマスク着用」について論じたものです),新型コロナウイルスはウイルスのなかでもかなり大きいサイズです,上述のコラムで述べたように,ライノウイルス(風邪を起こすウイルスの一種)など,粒子の小さいウイルスであれば,マスクをしていても外部に漏れます,一方,新型コロナはそうではないのです,「通常のサージカルマスクを着用していれば他人に感染させない,ダブルマスクにすれば相手がマスクをしていなくてもかなり予防できる」という事実はものすごく重要なポイントです,人込みや飛行機では着用します  ちなみに,私自身は屋外ではマスクを外していますが,人込みの中に行くときには着用します,街を歩いている若い人が透析を受けていたり(つまり,腎臓病のために免疫が低下していたり),抗がん剤(これも免疫を低下させます)を飲んでいたりする可能性もあるからです,私自身が飛行機に搭乗するときには機内にいる間は始終ダブルマスクで過ごします,<左>ノット&タスク法でサージカルマスクを着けた谷口医師<右>ダブルマスク法で,サージカルマスクの上からネックゲートルを着けた谷口医師=いずれも本人提供  新型コロナの感染者は,自分が無症状でも他人に感染させることを忘れてはなりません,新型コロナを他人にうつしたいと思っている人はいないはずです,ならば,重症化リスクがある(かもしれない)人と接するときにはどうか今ここに述べたマスクの効果について思い出してください,一見元気に過ごしている子供が,免疫能の低下する疾患を持っている場合もあることを忘れないでください,「マスクの着用は個人の判断」の意味は,自分の考えを他人に押し付けるということでは断じてありません, <医療プレミア・トップページはこちら> 関連記事 <新型コロナ 治療薬ラゲブリオに米,豪,EUが厳しい評価> <「卒業式マスク問題」で現場は混乱…新型コロナ対策は学校に何をもたらしたのか> <コロナでマスク着用 個人の判断より周りの視線?> <新型コロナ 「5類移行」で診療する病院が急減する心配> <新型コロナ 医師に言おう「抗ウイルス薬を頂けませんか」> 投稿にはログインが必要です,谷口恭 フォロー 谷口医院院長 たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ,91年関西学院大学社会学部卒業,4年間の商社勤務を経た後,大阪市立大学医学部入学,研修医を終了後,タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事,同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け,帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属,その後現職,大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師,主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める,日本プライマリ・ケア連合学会指導医,日本医師会認定産業医,労働衛生コンサルタント,主な書籍に,「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社),「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社),「医学部六年間の真実」(エール出版社)など,谷口医院ウェブサイト 月額110円メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中,  連載:総合診療医の視点 -命を救う5分の知識- 前の記事 飲酒 禁止とは言えないが「少量でも健康に有害」 次の記事 レジオネラ 床やタイルが「ぬめる」温泉は要注意 注目コンテンツ
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