私が「肺炎がいやなら,のどを鍛えなさい」を出版したのは2017年でした,書籍の年間販売部数ランキングで20位となるなど反響は大きく
激安 ブランド 日本医師会雑誌2018年12月号では「肺炎予防を謳(うた)った一般書がベストセラーとなり,類書も多く出版され,一挙に国民の間に肺炎・嚥下(えんげ)機能・訓練での予防という概念を普及させた」とご紹介いただきました, 「肺炎」と「のど」の関係について,疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません,実は,高齢者の肺炎の7割以上が「誤嚥(ごえん)性肺炎」と言われています(※),食べ物や唾液が,食道ではなく気管や肺に入り込み,引き起こされる肺炎です,誤嚥を起こさないためには,のどを鍛えて,のみ込む力(嚥下機能)をキープすることが大切なのです, 当時,このジャンルで医師が真面目に書いた本というのはほとんどなく
ブランドバッグコピー 医学的な裏付けのない本が横行していました,医師の集まりの中で「誰か,まとめないか」と先輩から声をかけられたのが,執筆のきっかけでした,先輩や仲間の医師に取材しながら,まとめました,執筆中に相談に乗っていただいた先輩や仲間の医師の先生方,言語聴覚士,管理栄養士,看護師の方々には本当に感謝しています, 高齢化が進み,誤嚥性肺炎で亡くなる人は年々増えています,2023年に亡くなった人の死因を多い順に並べると,悪性腫瘍(38万2504人),心疾患(23万1148人),老衰(18万9919人),脳血管疾患(10万4533人),肺炎(7万5753人),誤嚥性肺炎(6万190人)――と続きます(※2),肺炎と誤嚥性肺炎で亡くなった方を合わせると,全体の4番目になります
偽ブランド 大勢の患者さんがいる誤嚥性肺炎ですが,どの診療科の医師が診るべき病気だと思われますか? 「肺炎」ですから,まず思い浮かぶのは「呼吸器内科」かもしれません,しかし,呼吸器内科の専門医は約8000人,呼吸器内科の医師だけでは,とうてい対応できません,私は,誤嚥性肺炎は,医師免許をもっているすべての医師がきちんと診療できる必要があると考えています,例えば,整形外科医であっても,入院中の患者さんが誤嚥性肺炎を起こしてしまう可能性は十分にあります,本来であれば,どの診療科の医師も診ることができなければならないのです, 私は福島に生まれ,両親は多忙な勤務医だったため,牧師の祖父に教会で賛美歌を聞きながら育てられました,父が外科を,母が耳鼻咽喉(いんこう)科を開業することになり,小学校入学前に横浜に転居,中高は,横浜の某私立校(先輩にオフコース)で過ごしました,北里大学進学後は部活動に明け暮れましたが,大学はコースオフすることなく1985年に卒業,耳鼻咽喉科・頭頸(とうけい)部外科教室に入局しました, 当時の大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科には,頭頸部がんの患者さんが多数入院され,朝から晩まで診療と手術に明け暮れました, がんを切除するために長時間の手術をすると,体力が低下して誤嚥性肺炎を発症することがあります,また,がんの治療で放射線と抗がん剤を多量に投与すると,やはり体力が低下し誤嚥性肺炎を発症することもあります, がんの手術が成功しても,誤嚥性肺炎で亡くなってしまう患者さんが何人もいらっしゃいました,非常に歯がゆい,悔しい思いをしました, その悔しさが,誤嚥性肺炎や嚥下障害に取り組むようになった原点となっています, 当時は誤嚥性肺炎の適切な治療法が確立しているとは言いがたい状況でした,医学部のカリキュラムでも「嚥下」は重視されておらず,私自身学生時代に習った記憶はありません,現場で,先輩方から習うことが頼りでした, 各地の病院への出向と,大学病院勤務を繰り返す中で,故・廣瀬肇先生(東京大名誉教授)に音声障害と嚥下障害診療のご指導を受けたのは,大変貴重な経験でした
ブランド時計コピー 現場で診察を続けていると,学会で通説とされていたことや,教科書に書かれていることは,必ずしも正しいわけではないことがわかってきました,たとえば数年前まで,誤嚥性肺炎は「唾液誤嚥が主因」とされていましたし,嚥下障害の対応は「口腔(こうくう)ケアと胃ロウ造設」が主流でした,嚥下障害や誤嚥性肺炎の対応は,「口腔期(食べ物を舌を使って喉へと送り込む時期)」が中心でした, しかしながら,臨床の現場を診ていると,誤嚥性肺炎の主因は唾液の誤嚥もありますが「食物誤嚥」であることが多く,重要なのは「咽頭期(食べ物をノドから食道へ送る時期)の対応」でした,唾液や食べ物の誤嚥だけでなく,胃の内容物が逆流する「胃食道逆流誤嚥」による肺炎もあります, 誤嚥性肺炎を防ぐために口腔ケアが重要であることは周知のことですが,口腔ケアのみでは「誤嚥を防ぐ」ことはできません,誤嚥性肺炎を防ぐために大事な嚥下機能は,口腔ケアでは維持できません, かつては「胃ロウ」も安易に造設されていました,一度誤嚥性肺炎を起こしたら,二度と起こらないように胃ロウを作り口から食べるのを禁止する――という時代もあったのです,しかし,嚥下機能をきちんと評価して,それぞれの機能に対応した食形態にできれば(たとえば,おかゆやミキサー食やゼリー食に変更),禁食にする必要はありません
ブランドコピー服 みなさん,「明日から食事なし,栄養剤だけで頑張れ」と言われたら,非常に落胆するのではないでしょうか,人生において,口から食べる楽しみは大切です, 患者さんの中には,トレーニングを積んで,再び食べられるようになった方が大勢いらっしゃいます,一度は胃ロウを造ったり,経鼻胃管を入れた患者さんがトレーニングを積んで,口から食事をとれるようになったというケースはいくつもあります,最近も3年間経鼻栄養だった90代の男性が,経鼻胃管を抜いて再び口から食事を採れるようになりました, 患者さんから感謝の言葉をいただけるのは,診療のモチベーションになっています, 誤嚥性肺炎や嚥下障害に注目が集まるようになってきましたが,まだまだ誤解は多いです, 最近,舌口唇機能や咀嚼(そしゃく),嚥下などの機能が衰えた状態をまとめて指す「口腔機能低下症」という言葉がよく使われるようになりました,口腔機能低下症にならないように,舌の体操や口の周りの筋肉を動かす体操などが推奨されてもいます,こうした体操は,咀嚼機能の向上には効果的かもしれませんが,ノドののみ込む力は鍛えられません, 「良くかめば,ムセずに食べられる」と考えていらっしゃる方も多いようです,確かに,かむことで食べ物をのみ込みやすい形に変えることができます,食事はかんで食べるからこそ,おいしいのだとも思います,ですから,咀嚼機能は大切ですが,咀嚼機能と嚥下機能は分けて考える必要があります, どうすればのみ込む力をキープできるのか,鍛えられるのか,この連載で少しずつ,ご紹介していきたいと思います, にしやま・こういちろう 北里大卒,国立横浜病院医長,北里大臨床准教授など歴任,東海大医学部客員教授,藤田医科大客員教授,耳鼻咽喉科専門医,日本嚥下医学会相談医,日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士,横浜嚥下研究会代表 年間約6万人が亡くなる誤嚥(ごえん)性肺炎,予防するために「食べ物を飲み込む力」はどうすればキープできるのか解説します, 誤嚥性肺炎を遠ざけるには--飲み込むときは上を向く?それとも下を向く? 毎日新聞のニュースサイトに掲載の記事・写真・図表など無断転載を禁止します,著作権は毎日新聞社またはその情報提供者に属します,画像データは(株)フォーカスシステムズの電子透かし「acuagraphy」により著作権情報を確認できるようになっています,