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新型コロナ 開発中の内服薬の実力は | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭「医療プレミア」

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新型コロナ 開発中の内服薬の実力は | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭「医療プレミア」

総合診療医の視点 -命を救う5分の知識- フォロー 新型コロナ 開発中の内服薬の実力は 谷口恭・谷口医院院長 2021年10月25日 保存保存 文字 印刷 衆議院議員選挙の出陣式で,新型コロナウイルス感染症予防のため支援者とグータッチをする候補者(左)=京都市下京区で2021年10月19日,山崎一輝撮影  新型コロナウイルス感染症が恐れるに足りない「ただの風邪」になる日はいつ訪れるのでしょうか,そうなるためには「ワクチンだけでは不十分だ」ということを過去のコラム「新型コロナ ワクチン接種後もマスクを使う理由」で述べました,なぜ,ワクチンだけでは不十分なのか,そのコラムで述べたように,ただの風邪になるには「特効薬」がどうしても必要だからです,インフルエンザの場合,ワクチンに加えてタミフルやイナビル,あるいはゾフルーザ(いずれも飲み薬か吸入薬の商品名)といった抗インフルエンザ薬があります,これらが効かないかもしれない新型インフルエンザに対しては,アビガン(一般名ファビピラビル)という「秘密兵器」が用意されています, 他方,新型コロナにはインフルエンザのものよりも有効なワクチンが登場しました,副作用や有効期間など依然として未知な部分はありますが,少なくとも感染を防ぐという意味では有効性が高いのは間違いありません(前回のコラム「新型コロナ ワクチン後の感染は『軽くすむ』か」で述べたように重症化を防げるかどうかははっきりしないところがありますが),「特効薬」は飲み薬か吸入薬  新型コロナが「ただの風邪」になるために必要な特効薬は,インフルエンザの場合と同じように飲み薬(や吸入薬)でなければなりません,新型コロナに対する抗ウイルス薬のレムデシビル,「抗体カクテル」と呼ばれるカシリビマブとイムデビマブ(ロナプリーブ),やはり抗体医薬のソトロビマブは,いずれも点滴(もしくは皮下注射)で使う薬で,気軽に使えるものではありません,飲み薬は2種類ありますが,デキサメタゾンはステロイドであり飲むタイミングを間違えるとかえって悪化します,バリシチニブは,レムデシビルと同時使用でしか認可されていません,要するに,いずれの飲み薬も重症化しなければ使えないのです,仙台駅前のアパホテルに開設された「宮城県抗体カクテル療法センター」であった治療のデモンストレーション,看護師が患者に人工抗体製剤(左手前)を点滴投与し,呼吸や心肺の動きに異常がないか常時確認する=仙台市宮城野区で2021年9月6日午前10時13分,神内亜実撮影  さて,すでに各メディアで報じられているように「モルヌピラビル」という3番目の内服薬が近々登場する見通しです,既存の2種と異なり軽症の患者にも使えます(厚生労働省がまとめた,開発中の治療薬候補一覧),ということは,この薬はコロナを「ただの風邪」にできるかもしれない特効薬の候補となります, では,モルヌピラビルは新型コロナに対しどれくらい有効なのでしょうか,「劇的」とまではいえない効き目  薬を開発している米メルク社は,今月1日にこの薬の臨床試験の中間分析結果を発表し「入院または死亡のリスクを約50%減少させた」と説明しました, 発表によるとメルク社は,基礎疾患があるなど重症化のリスクはあるものの スーパーコピーバッグ 実際には入院も重症化もしていない新型コロナ患者を集め,この人たちに,無作為に,モルヌピラビルまたは偽薬を飲んでもらいました,モルヌピラビルを飲んだ人は385人で,このうち入院した人は28人(7.3%),死者は0人でした,一方,偽薬を飲んだ人は377人で,入院または死亡した人は53人(14.1%),うち死者は8人でした, この数字からは劇的に効くとまでは言えなさそうです,モルヌピラビルを飲んだ人たちで死者が0人だったのは明るい材料ですが,これはたまたま運がよかった可能性もあり,臨床試験の対象者が少ないこれだけの結果で「モルヌピラビルを飲めば死なずに済む」とは言えません(メルク社もそうは主張していません), モルヌピラビルの課題をあと二つ挙げておきます,一つは,おそらく,この薬を使える患者が絞られるだろうということです,感染すれば誰にでも直ちに処方できるとはならないと思います,「軽症」の人にも無制限に使えるのではなく,メルク社の臨床試験のように「重症化するリスクがある場合のみ」といった条件がつくことが予想されます,実際,米国ではそのようになると言われています 偽物ブランド  もう一つは費用です,新型コロナの薬は,薬の使用対象になる患者の場合,薬代の個人負担がゼロになります ブランドコピー靴 それはいいとして,例えば予防目的で自費で入手することはできるでしょうか,関連記事 <新型コロナ デルタ株対策にワクチン後もマスクを> <新型コロナ 侮れない「ワクチン接種後」の感染> <新型コロナ 後遺症の頭痛は諦めず治療を> <新型コロナワクチン 子供は「1回だけ」も選択肢> <新型コロナワクチン「四つの視点」 谷口恭氏講演>  インフルエンザの場合,タミフル,リレンザ,イナビルの3種は自費診療での予防投与が認められています,希望すれば誰もがその恩恵にあずかれるわけではないのですが,依頼されれば簡単に処方する医師がいるのも事実です(参考:「インフル治療薬を予防には気軽に使えないわけ」),緊急事態宣言が解除され,「あいスタ認証店(愛知県が認証した店)」のポスターを掲示して営業する飲食店=名古屋市中区で2021年10月1日午後6時半,兵藤公治撮影  米紙ニューヨーク・タイムズによると,モルヌピラビルの費用は1人の患者につきおよそ700ドル(約8万円)です,これは(ロナプリーブなど)モノクローナル抗体を使った薬にかかる費用の3分の1なのですが,自費でこの値段を出せる人はそう多くないでしょう,推薦していない「イベルメクチン」  ところで,太融寺町谷口医院に寄せられる新型コロナの内服薬に関する質問で現在最も多いのはモルヌピラビルではなくイベルメクチンです,7月からイベルメクチンに関する問い合わせが急増し「いざというときのために持っておきたい」「濃厚接触かもしれないから処方してほしい」,さらに「コロナに感染したから処方してほしい」といった要求もあります スーパーブランドコピー  イベルメクチンについては効果が「ある」とする意見と「ない」とする意見の双方があり,国によっては積極的に使用されているのは事実です,私自身は,6月28日にオックスフォード大学から出た論文「新型コロナに対するイベルメクチン~ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス~(Ivermectin for the Treatment of Coronavirus Disease 2019: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials)」で効果が否定されたことを受けて,推薦はしていません,この論文はこれまでに発表されたイベルメクチンの有効性を検討した研究を再検討して解析したものであり,エビデンスレベル(医学的証拠としての信頼度)はかなり高いものです, ところが,この論文が公表された直後から(言い換えれば新型コロナの「第5波」が始まるころから)イベルメクチンの問い合わせが増え始めました,また,一般の患者さんだけでなく,医療者の間でもこの薬に期待する声が大きくなりました,例えば岡山大学はイベルメクチンを新型コロナ治療薬の候補として扱い,北里大などが進めているこの薬の治験に協力しました, なぜ,世界的には否定されているイベルメクチンが日本でこれほどまでに期待されるのでしょうか,おそらく最大の理由は,日本人のノーベル賞受賞者である大村智先生が開発された薬だからでしょう(参考:「<番外編>疥癬(かいせん)――ノーベル賞・大村智先生,もう一つの功績」), ただ,どうもそれだけではなさそうです,イベルメクチンに興味を持つ人の何割かは,ワクチンに反対している人や,コロナをただの風邪と考えている人たちのようです,この傾向は米国でも同様のようで,米テキサス州在住でマスク着用に反対していた30歳の男性は,コロナに感染し,ビタミンC,亜鉛,アスピリン,イベルメクチンで自己治療を試みましたが,結局は入院し,約1カ月後に死亡したことが報道されています, 英紙The Guardianは「イベルメクチンがコロナに有効とした論文は“倫理的懸念”により取り下げられた」ことを報道しました,同紙は,この論文のデータに多くの疑問点があることを指摘しています, そして英放送局BBCは,これまで発表されているコロナの薬に関する合計26の研究を検証し,それらの3分の1以上に重要な間違いや,潜在的な不正の可能性があることを指摘し,イベルメクチンが新型コロナには無効であると結論づけました,BBCによると,世界で最も信頼度の高い研究はカナダのMcMaster大学のTogether試験で,この研究でもイベルメクチンはまったく無効だったようです,緊急事態宣言が解除され,人が行き交うススキノ交差点=札幌市中央区で2021年10月1日,貝塚太一撮影  ところで,「ダメ元でイベルメクチンを使う」という方法はどうでしょうか,日本ではイベルメクチンは疥癬(=ダニが起こす感染症)の治療に用います,私はこれまで100人近くの疥癬の患者さんにイベルメクチンを処方してきましたが(勤務医の頃は院内集団感染を経験したこともあります),大きな副作用を経験したことは一度もありません,問題のある「ダメ元」使用  では,副作用を気にしなくていいのなら,わずかの可能性に期待して内服することに問題はないのかというと,私は「問題あり」と考えています,なぜなら,標準的な治療,つまりロナプリーブなどの注射薬と早めの酸素吸入を行わずに(結果として効果のなかった)イベルメクチンに期待して重症化(もしくは最悪の場合死亡)することが「問題」だからです,よって,標準的な治療をきちんとした上で,イベルメクチンも併用することには私は反対しません(厳密には,薬同士の相互作用を検討しなければなりませんが),なおBBCの記事には,実際にイベルメクチンに頼って医師にかからず死亡した事例が報告されています, 当分の間,内服薬には期待せず,感染初期にモノクローナル抗体による点滴(または皮下注射)での治療を検討すべきなのは間違いありません, <医療プレミア・トップページはこちら> 関連記事 <新型コロナ デルタ株対策にワクチン後もマスクを> <新型コロナ 侮れない「ワクチン接種後」の感染> <新型コロナ 後遺症の頭痛は諦めず治療を> <新型コロナワクチン 子供は「1回だけ」も選択肢> <新型コロナワクチン「四つの視点」 谷口恭氏講演> 投稿にはログインが必要です,谷口恭 フォロー 谷口医院院長 たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ,91年関西学院大学社会学部卒業,4年間の商社勤務を経た後,大阪市立大学医学部入学,研修医を終了後,タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事,同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け,帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属,その後現職,大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師,主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める,日本プライマリ・ケア連合学会指導医,日本医師会認定産業医,労働衛生コンサルタント,主な書籍に スーパーコピー財布 「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社),「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社),「医学部六年間の真実」(エール出版社)など,谷口医院ウェブサイト 月額110円メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中,  連載:総合診療医の視点 -命を救う5分の知識- 前の記事 新型コロナ ワクチン後の感染は「軽くすむ」か 次の記事 新型コロナ ワクチンで重症化を免れる人,心配な人 注目コンテンツ
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