ロシアのウクライナ侵攻と中国のレトリックとプラグマティズム 青山瑠妙・早稲田大大学院アジア太平洋研究科教授 2022年3月14日 保存保存 文字 印刷 ウクライナの「地域防衛隊」のメンバー=キエフ近郊で,2022年2月6日,AP ロシアのウクライナ侵攻と中露関係 1972年2月21日に
コピー激安通販 アメリカのリチャード・ニクソン大統領が北京を訪問し,旧ソ連という共通の敵に直面したアメリカと中国は戦略的な協力関係を結んだ
スーパーコピーn級 戦後冷戦史の構図を大きく塗り替えたニクソン訪中から50年後の2月24日に,ロシアはウクライナへの軍事侵攻を開始した, ロシアの暴挙に対して,欧米や日本はロシアへの強い経済制裁を発表し,ロシアの一部銀行をSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除したことで,国際秩序の歯車は再び大きく動き出したかのように見える,米中両国は再びイデオロギーの違いを棚上げし,手を握り合うことになるのか, ロシアのウクライナ侵攻をめぐり欧米とロシアが激しく対立しているなか,中国の出方は大きく注目されており,中露関係に関してさまざまな臆測が飛び交っている,ロシアに裏切られた中国? 昨年11月以降,ロシアのウクライナ侵攻を阻止するためにバイデン米政権は中国との接触を図り,またロシアの侵攻までの3カ月の間,アメリカは中国の高官と度重なる会合を開き,ウクライナ国境地帯にロシア軍が集結している情報を伝えた,しかしながら,中国はこうした情報を全く信じようとしなかったという, そして2月4日に,中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が会談し,両国の戦略的協力をさらに深めていく5000字ほどの長さに及ぶ声明を発表し,15の協力協定を締結したのである, 2月25日のニューヨーク・タイムズ紙の記事に基づく多くの論評は,ロシアによるウクライナ侵攻について,中国は事前に察していなかったとしている,ロシアを信じ,ロシアに裏切られたというこの推測がもし正しければ,今後の中露関係に大きなしこりが残り,中国はロシアとの協力に後ろ向きになる可能性が高い,短期決戦という中国の誤算? 他方,ロシアによるウクライナ侵攻について,中国は事前にロシアから告げられていたという情報もある,2月初めに中国は既にロシア政府に,北京冬季オリンピックが閉幕する前にウクライナ侵攻を行わないでほしいと告げていた,実際に,ロシアがウクライナへの侵攻を開始したのは2月24日である,北京冬季オリンピックが閉幕し,パラリンピックが3月4日に開幕する前のタイミングだ, もしこの推測が正しければ,中露関係の基盤はむしろ強固であり,ロシアが短期決戦で勝利を収めることができ,パラリンピックにも影響を及ぼさないと北京側は判断したことになる,こうした誤算により,ウクライナに滞在している6000人の中国人の避難が遅れたことにつながったのかもしれない, このシナリオはどうも朝鮮戦争をほうふつさせる,旧ソ連,中国は北朝鮮が短期間のうちに朝鮮半島を手中に収めることができ,アメリカの介入もないと見て朝鮮戦争を発動したが,アメリカによる予期せぬ強い反発により冷戦はアジアに拡大した,クリミア併合での欧米の対露政策を見て今回も強い反発はないと中露が考えていたならば,まさに朝鮮戦争の二の舞いである, 中国のインテリジェンスの大失敗と断じる「裏切られた説」と,「欧米の政策を見誤った」中露の戦略的ミス,どちらがより真実に近いのかについては将来中国とロシアでの公文書資料の開示を待つしかなく,いまの我々としては知るすべはない,しかしながら,中国の戦略的思考を注意深く観察すれば,今後の中国政策の方向性の一端をうかがい知ることができるかもしれない,中国の戦略的思考 中国政府にとって,中露連携による戦略的メリットは大きいが,そのコストも極めて高い, 米中の対立がエスカレートするなか,中露連携は中国にとって必然的な選択となった,中国のロシアへの接近はオバマ米政権がアジア回帰政策を打ち出した時にさかのぼるが,ロシアが2014年にクリミア併合で国際的に孤立したことから,中露関係は急速に親密化し,いまでは中露両国はエネルギー分野のみならず,データ通信,Eコマース,宇宙,北極開発など幅広い分野で協力を深めている
ブランドスーパーコピー激安 北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大を阻止するためにロシアはウクライナに侵攻したというが,NATOの東方拡大を阻止したいのは中国も同じである,1990年代後半から,中国はNATOの東方拡大を問題視し,東方に拡大するNATOとアジア太平洋地域でのアメリカを中心とした「ハブ・アンド・スポーク」の軍事同盟システムに挟まれているとの脅威認識を示してきた,こうした意味で
偽ブランド NATOの東方拡大を阻止するロシアの軍事行動は,中国自身の安全保障上の懸念を緩和させることにもつながる, しかしながら,中国にとって中露連携の代償も高い,中国はウクライナとの国交樹立30周年を1月に迎え,両国の戦略的パートナーシップを祝ったばかりである,何よりも,中国は平和で安定した周辺環境を望んでいるはずである,そして,台湾統一を国家目標に掲げ,主権と領土保全を尊重するよう訴えている中国にとって,ロシアによるウクライナの主権侵害行為は擁護しにくいというのも実情である,… この記事は有料記事です,残り1222文字(全文3298文字)ご登録から1カ月間は99円 今すぐ登録して続きを読む 登録済の方はこちらからログイン 関連記事 <手嶋龍一氏>ウクライナの戦い「陰の主役」は中国 <佐藤優氏>ウクライナ人とロシア人の関係史 <佐藤優氏>ウクライナ侵攻を正当化するプーチン氏の論理 <佐藤優氏>ロシアの巧みな介入 ウクライナ問題の行方を読む <宮家邦彦氏>プーチン氏の誤算を「深読み」 ウクライナ大使から聞いた感謝と願い ウクライナ危機でドイツを激怒させたプーチン氏の選択 西側を結束させたプーチン氏の権威主義 ロシア経済制裁 SWIFT排除の抜け穴 関連記事 <手嶋龍一氏>ウクライナの戦い「陰の主役」は中国 <佐藤優氏>ウクライナ人とロシア人の関係史 <佐藤優氏>ウクライナ侵攻を正当化するプーチン氏の論理 <佐藤優氏>ロシアの巧みな介入 ウクライナ問題の行方を読む <宮家邦彦氏>プーチン氏の誤算を「深読み」 ウクライナ大使から聞いた感謝と願い ウクライナ危機でドイツを激怒させたプーチン氏の選択 西側を結束させたプーチン氏の権威主義 ロシア経済制裁 SWIFT排除の抜け穴 投稿にはログインが必要です
ブランドコピー 青山瑠妙 フォロー 早稲田大大学院アジア太平洋研究科教授 慶応大大学院博士課程修了,法学博士,米ジョージ・ワシントン大客員研究員を経て,2018年から早稲田大現代中国研究所所長,専門は現代中国政治外交,著書『現代中国の外交』は08年に大平正芳記念賞を受賞,注目コンテンツ