2024年1月30日,上智大学生だった今井杏海(あみ)さん(20)の人生が
ブランドコピー財布 幕を閉じました,死因はEBウイルス感染症に伴う,小児型全身性EBV陽性Tリンパ増殖症,過去のコラム(※)でも紹介したことがあるEBウイルス感染症は,大勢の若者に感染する感染症で,たいていは無症状あるいは軽症で済みます,入院に至ることはありますが,死に至ることはまれです,杏海さんが助かる道はなかったのでしょうか,杏海さんの母・弘子さんはどこに相談していいか分からず途方に暮れ,メール相談を広く受け付けている当院に連絡してこられました, 弘子さんは娘を亡くした悲しみや苦しみに加え,罪悪感が頭から離れないと言います,もっと早く病院に連れていくべきだったのではないか,市販薬を与えたことに問題があったのではないか,あるいは,近くのクリニックを受診したときに苦しいことをもっと強く訴えればよかったのか,大学病院で「退院してください」と医師から言われたときに「絶対に出ていきません!」と力ずくでも拒否すべきだったのか……, 弘子さんからの相談メールが最初に届いたのは24年5月28日でした,その後メールのやり取りを繰り返し,杏海さんがたどった経緯,そして弘子さんがどのように感じているのかを教えてもらってきました,重要な点については何度も確認し,杏海さんが亡くなるまでの概要が,ある程度みえてくるようになりました,もちろん,客観性・中立性を担保するには医療者側へのインタビューが必要ですが,それでもこの時点で一連の流れを明らかにすることで「問題」が浮かび上がり,同じ悲劇を防ぐことにつながるかもしれないと考え
コピーブランド時計 今回のコラムを書くことにしました
ブランドコピー服 まず,杏海さんがたどった経緯をみていきましょう, 23年12月28日 旅行から帰宅,疲れていた 29日 朝から発熱・悪寒,市販薬を内服した 30日 頸部(けいぶ)リンパ節が腫れてきた,熱がさらに上昇 24年1月2日 近くのクリニックを受診,「風邪」と言われ抗菌薬(クラリスロマイシン)を処方されたが,症状は改善せず 5日 別のクリニックを受診,抗菌薬(セフカペンピボキシル)を処方された,大きな病院での診察が必要と判断され日本大学医学部付属板橋病院総合内科への紹介状を渡された 同日夕 板橋病院受診前に症状が悪化したため3軒目のクリニックを受診,このときEBウイルス感染が疑われ,板橋病院の(総合内科ではなく)耳鼻咽喉(いんこう)科への紹介状を渡され受診した 6日 症状改善せず,板橋病院耳鼻科病棟に入院 10日 EBウイルス感染症の確定診断がついた 12日 医師の診察があり,翌日退院するように言われた,症状が改善していないために退院の延期を求めたが「できない」と言われた,EBウイルス感染症の合併症や重症化の懸念も伝えたが,聞いてもらえなかった,「外来を受診させてほしい」とお願いしたが「これ以上大学病院では診られない,これからは紹介元の近くのクリニックを受診するように」「どうしても大学病院を希望するなら改めて近くのクリニックから紹介状をもらってくるように」と言われた,医師は「明日,退院前に見にくる」と言っていたが,来なかった 13日 退院しなければならない日だったが,頸部リンパ節の腫れが増悪し,熱は39.6℃,帰れる状態ではなく,杏海さん自身がその日の担当医に退院延期を求めたものの,拒否された,母親の弘子さんがこの医師に電話で掛け合ったが,「退院延期は無理」と言われた,「絶対大丈夫なんですか」と尋ねると「絶対大丈夫です」と返された,「責任とれるんですか」という問いに対し「はい」と言われ,渋々受け入れた 14日 退院後,症状は悪化の一途をたどった,再入院が必要なのは明らかで,前日まで入院していた病棟に再度の診察を求めて電話をしたが,「病棟では対応できないので救急外来に電話をするように」と言われた,質問しようとすると「だから対応できないと言ってるでしょ! 退院したんだから!」と強い口調で返され,再診を諦めた 15日 板橋病院耳鼻咽喉科受診を紹介してくれたクリニックを受診した,しかし,板橋病院に再診に応じるよう交渉はしてくれなかった 16日 助けを求めて,さらに別のクリニックを受診,やはり板橋病院再診の要請はしてもらえなかった 同日23時 板橋病院救急外来に電話で診察を依頼したが
ブランド激安市場 満床を理由に拒否された,「点滴だけでも」とお願いしたが聞き入れてもらえなかった 17日午前0時 救急車を呼んだが,救急隊員が受け入れ先を見つけられなかった,様態はますます悪化し,再度,板橋病院救急外来に電話し診察を嘆願,ようやく受診の許可が出た 午前6時15分,板橋救急外来を受診し,直ちに入院の手続きがとられた,このときにはすでにEBウイルス感染が原因で血球貪食症候群を発症し,さらに多臓器不全の状態だった,最終病名は「小児型全身性EBV陽性Tリンパ増殖症」 EBウイルスについては医療プレミアの過去のコラム「抗菌薬が引き起こす危険な副作用と,『キス病』」(※)でも紹介しました,EBウイルス感染症に抗菌薬を使用すると症状が悪化することを取り上げ,重症化して「慢性活動性EBV感染症」になり得ることについても触れました,慢性活動性EBV感染症はまれですが,杏海さんが罹患(りかん)した小児型全身性EBV陽性Tリンパ増殖症はさらにまれな疾患です,発症すると急激に悪化し,治療法はありますが,予後の極めて不良な(つまり,助かりにくい)疾患です, 杏海さん自身,今回の医療者の態度や言動には疑問を持ったはずですが,どんな医師にあたっても,どんな病院に入院していたとしても,助からなかった可能性はあります, しかし,そうは言っても,もしももっと早く「小児型全身性EBV陽性Tリンパ増殖症」という診断をつけられていれば,どうだったでしょうか, あるいは,診断はつかなかったとしても,高熱,全身の痛み,リンパ節腫脹などから退院を中止することはできなかったのでしょうか, 本来,診察していない部外者が後から意見を述べるのは医師の世界ではルール違反なのですが,そのルールに背いてでもあえて「疑問が残る」と私は言いたくなります, ただし,EBウイルス感染症の診断がついた時点で,もっと注意深い経過観察をすべきだったかどうかについては,医師の間でも意見が分かれるでしょう,EBウイルス感染症は決してまれな感染症ではなく,たいていは軽症で経過観察だけでいいことがほとんどだからです,ですから,EBウイルス感染症というだけで,入院を勧めるわけにはいきません, しかし,杏海さんの事例を踏まえれば,「自覚症状が強ければ,原則入院してもらう」とすべきです,また,抗菌薬を2回も処方されていたことは反省すべきだと思います,EBウイルス感染症への抗菌薬の使用は,効果がないだけでなく肝機能のさらなる悪化や薬疹などのリスクが報告されているのです(※2), 杏海さんとそのご家族が経験されたことは,板橋病院や関わったクリニックの医師だけでなく,私を含め,すべての医師が教訓として学ばなければなりません, 医師だけではありません,看護師など他の医療職の者も「EBウイルスを侮ってはいけない」と肝に銘じるべきです, 弘子さんは,病棟に診察依頼の電話をしたときに看護師から強い口調でしかられたことが忘れられないと言います
ブランドコピー激安 「あのときもっと粘っていれば,入院させてもらえたのではないか」という思いが今も残っていると言います, では,患者側はどうすればいいのでしょうか, 小児型全身性EBV陽性Tリンパ増殖症は極めてまれな疾患であり,以前のコラムで紹介した慢性活動性EBV感染症もまれです,EBウイルスは血球貪食症候群という病態へ進行することもありますが,これもまれです(杏海さんは血球貪食症候群,小児型全身性EBV陽性Tリンパ増殖症の双方の病名がつけられました), つまり,「EBウイルス感染のほとんどは軽症または無症状,重症化はまれ」であり,EBウイルス感染症と言われただけで慌てる必要はありません,しかし,まれであっても重症化する可能性はあるのですから,診断されて不安であれば担当医に「重症化がまれなのは理解していますが,患者(あるいは患者の保護者)として不安です,つらいときは相談させてください」と伝えておくようにするのはどうでしょう, 必ずしも理解のある医師ばかりではないかもしれませんが,その気持ちを分かってくれる医師もいるはずです, 杏海さんのこの件は4月21日放送のNHK「クローズアップ現代」(※3)でも取り上げられたようです,そちらに加え,杏海さんや弘子さんが経験したような苦痛を繰り返さないためにこのコラムが少しでも役に立つことを祈念します, たにぐち・やすし 1991年関西学院大社会学部卒,2002年大阪市立大医学部卒,タイのエイズポスピスでのボランティアなどを経て,07年クリニック開設,大阪公立大非常勤講師,プライマリ・ケア連合学会指導医,労働衛生コンサルタント, 幅広い総合的な医療を提供し,どんな相談にも対応できる総合診療医,どのような疾患を診て,治療をしているかを紹介します, 認知症やうつ病も…知られていない大気汚染リスク カロリーゼロでも太る? やせたいなら,食べてはいけない「人工甘味料」 毎日新聞のニュースサイトに掲載の記事・写真・図表など無断転載を禁止します,著作権は毎日新聞社またはその情報提供者に属します,画像データは(株)フォーカスシステムズの電子透かし「acuagraphy」により著作権情報を確認できるようになっています,